Windowsのハードディスクの管理方式には、
- ベーシックディスク
- ダイナミックディスク
の2種類があります。
ベーシックディスクはMS-DOS,およびすべてのWindowsでサポートされる管理方式で、次の特徴があります。
- ディスクに作成した領域をパーティションとよぶ
- 1台のディスクには最大4つのパーティションを作成できる
- パーティションにはプライマリパーティションと拡張パーティションがあり、プライマリパーティションはOSの起動領域として使用できる
- 拡張パーティションは1台のディスクに1つしか作成できないが、拡張パーティション内を論理的に複数の領域として分割できる
- 複数のディスクにまたがるパーティションを作成することはできない
パーティションを作成することでOSのデータ領域にエラーが消えてもデータには影響がないなどメリットがあります。
1台のディスクにはプライマリパーティションが4つまでしか作成できないため、データを保存する領域を5つ以上作成したい場合は、
拡張パーティションが使用されます。拡張パーティション内に論理ドライブを作成することでファイルを保存することができます。
プライマリパーティションには作成時に「c」以降のアルファベット1文字を割り当てます。このアルファベットをドライブ文字といい、Cドライブなどとよばれます。
論理ドライブ(ろんり・−。Logical Drive):RBB TODAY (ブロードバンド辞典)
1台のドライブを分割して複数台あるかのように見せかけたもの、または、複数台のドライブを1台のドライブのようにして扱われるもののことです。
論理ドライブは、物理的なドライブではなく、OSが管理する単位となるドライブのことです。1台のドライブの中をパーティションで区切ると、複数の論理ドライブを作成することができます。また、RAIDの場合には、複数台のドライブを組み合わせて1台のドライブとして使用することもできます。
ダイナミックディスクとは 【dynamic disk】 - 意味・解説 : IT用語辞典
ダイナミックディスクはWindows2000以降のOSで採用されたディスクの管理方式でベーシックディスクにくらべて柔軟性があり,次の特徴があります。
- ディスクに作成した領域をボリュームとよぶ
- 1台のディスクに作成できるボリュームの数に制限はない
- 複数のディスクにまたがるボリュームを作成することができる。
ディスクの管理
ダイナミックディスクは次のようなボリュームを構成することができます。
シンプルボリューム | 1台のダイナミックディスク上の1つの区画で構成 |
スパンボリューム | 複数のダイナミックディスクの空き領域をまとめ、1つのボリュームとして利用 |
ストライプボリューム | 複数のダイナミックディスクの領域を連結して1つのボリュームとして利用 データは64KB単位に分割されて各ハードディスクに書き込まれるため、ディスクアクセスが分散し、読み書きのパフォーマンスが向上します。 |
ミラーボリューム | 2台のダイナミックディスクにまったく同じデータが書き込まれます。ミラーボリュームを構成する1台のディスクに障害が発生しても、もう1台のディスクで運用を続けることができるのでフォールトトレランス(耐障害性)が向上します。 |
RAID-5ボリューム | 3台以上のダイナミックディスクの領域を連結して1つのボリュームとして利用します。ストライプボリュームと同じように、データは64KB単位に分割されて各ハードディスクに書き込まれます。 RAID-5ボリュームではさらにパリティとよばれるデータの再構築に使われる情報を書き込むことで、1台のディスクに障害が発生しても、残ったディスクに記録されているデータとパリティ情報により、障害が発生したディスクのデータを復元できます。 |
Windows XP、VistaなどのクライアントOSではミラーボリュームやRAID-5ボリュームを構築することはできない。
[WindowsOSとサポートするボリュームの対応表]
OS | ボリューム:障害対応なし | ボリューム:障害対応あり |
---|---|---|
Windows2000 Professional Windows XP Windows Vista |
シンプルボリューム スパンボリューム ストライプボリューム |
|
Windows2000 Server Windows Server2003 Windows Server2008 |
シンプルボリューム スパンボリューム ストライプボリューム |
ミラーボリューム RAID-5ボリューム |
フォーマット
Windows Vistaがサポートするファイルシステムには、FAT,FA32,NTFSの3種類があります。
HFS(Hierarchical File System)はアップルのOSであるMAC OSで採用されています。
FAT(FAT16)
すべてのWindowsとMS-DOSで利用できるファイルシステム
MS-DOSおよびWindows 95/98/Meでは2GBの領域を管理することができ、Windows NT/2000/XP/2003/Vista/2008では
4GBの領域を管理できます。
FAT32
Windows 95 OSR2以降(Windows 95 OSR2/98/MeおよびWindows 2000/XP/Server 2003/Vista/Server 2008)で利用することができます。
理論上2TB(テラバイト、2TB=2,000GB)の領域を管理できます。
NTFS
理論上16EB(エクサバイト、16EB=16,000,000,000GB)の領域を管理することができ、さらにセキュリティの機能、圧縮や暗号化の機能も備えています。
[ファイルシステムとOSの対応表]
ファイル・システムの役割:ITpro
現在のコンピューティング環境では,データを保存・管理するのに「ファイル」を使うのが一般的です。ファイルの実体は,データの「入れ物」ではなく,コンピュータがデータにアクセスする際のインタフェースです。このインタフェースを提供する仕組みが「ファイル・システム」です。
Part1 さまざまな機能を持つファイル・システム:ITpro
Part2 ファイル・システムの2大分類:ITpro
Part3 高速化と安全性確保の両立:ITpro
対応OS | FAT16 | FAT32 | NFTS |
---|---|---|---|
MS-DOS | ◯ | × | × |
Windows 95 | ◯ | × | × |
Windows 95 OSR2 Windows 95 Windows Me |
◯ | ◯ | × |
Windows NT | ◯ | × | ◯ |
Windows 2000 Windows XP Windows Vista Windows Server 2003 Windows Server 2008 |
◯ | ◯ | ◯ |
各用語のリンクはリンク先から抜粋させていただいています。