ボーカルプラグインの紹介
DTMで使える「ボーカルにおすすめなプラグイン」をまとめていきます。
これらのボーカル向けのプラグインを使っていくと、ボーカルトラックの仕上がりが良くなり
歌モノ楽曲の場合クオリティがあがります。
メインの楽器となるボーカルが一番目立つわけですから目立つトラックのクオリティがあがれば
曲のクオリティも必然的にUP!
ボーカルミックスをしている人だけでなく、ボーカル向けプラグインのため歌ってみたを自分で録音している歌い手にも使うと効果がわかるプラグインを紹介していきます。
ボーカル処理にはどんなエフェクトが必要か?
ボーカル処理に使われるプラグインには、次のようなものが代表的です。
- ダイナミクス処理(コンプレッサー)
- EQ、
- リバーブ、
- ディエッサー、
- サチュレーション
ボーカルプラグインの紹介
iZotope RX10 Standard
ボーカロイドのような合成音声ソフトを使うのではなく、人間が歌った歌をボーカルトラックとして使う曲の場合、録音したときの環境ノイズが含まれていることがほとんどです。
特に遮音・吸音対策をしっかりしているレコーディングスタジオを使わずに自宅で録音したような「歌ってみた」の場合は特にノイズまみれです。
自宅録音で誤ってエアコンをつけっぱなしで撮ってしまったらエアコンのノイズは入りますし、安物のポップガードをつけていたら破裂音のノイズが入りまくりで聞けたものじゃない…なんてことにもなります。
家の床を綺麗に掃除したと思って、そばに近寄ってみたら意外とゴミが取れていなかったとうことはありませんか?
ゴミが取れていない状態でスマホで写真を撮って拡大してみると、全然掃除出来ていなかったという事がバレますよね笑
この現象と同じで、歌のゴミである「ノイズ」がたくさんある状態でボリュームをあげてしまうと、ノイズと歌が両方とも大きくなってしまいます。
iZotope RX10はこれからお化粧をしていく前の準備段階で必要になるもの。
ノイズまみれで音量を上げていったら、本当に聞かせたい声が届きにくくなります。
iZotope RX10はこれから綺麗にお化粧していくために、できる限りのノイズを撮って聞こえ方を良くできる必須プラグインです。
Melodyne 5 Studio
「Melodyne 5 Studio」は業界標準といっても過言ではないピッチ補正ソフト。
録音したデータを聴き直してみたら、録音時はうまく出来たと思っていてもピッチが若干下がっていたということはあります。
歌う人のその日の体調や精神力にも影響がでますよね。
トッププロの歌手でも無い限り、現代のPOPS音楽のボーカルはピッチ補正が必ずと言っていいほど入っているので、
ピッチ補正してない音を聴いた時に何かおかしいな!?となります。
ピッチ補正を簡単にできるのがこの「Melodyne」
Melodyneではグレードが4段階分かれています。
ポイント
ボーカルだけのピッチ補正であれば「Assistant」でも十分なのですが、「Studio」まで上げると複数のトラックを1画面でタブ表示ができるため
参考メロディラインに合わせて、直したいトラックのピッチ補正作業ができるという実に効率的なやり方が可能です。
1トラックのみのボーカルピッチ補正ならRePitch Standardも選択肢にいれておくと良いです。RePitchはMelodyneと使える機能が違いますが、Melodyneよりも音質劣化が少なく処理ができます。
Synchro Arts VocAlign Ultra
ボーカルのダブルトラックやたくさんのコーラストラックを録音して「さあ、これからミックス」というときに、各トラックの歌のタイミングを合わせていくのは地味に大変です。
トラックのタイミングやピッチにあわせてボーカルトラックの調整作業を効率化できるのが
「VocAlign Ultra」です。
トラック数が少なければ恩恵は少ないのですが、アイドル曲のように複数人が歌うような曲の場合には作業効率化において必須プラグインです。
SSL DeEss
Solid State Logic(SSL)のディエッサープラグイン。
息が強い時にうるさく聞こえるサ行の歯擦音を軽減するのがディエッサーです。
歯擦音を少なくするように発声できれば良いのですが、一日二日で直せるものではないので意図せず強く入ってしまった歯擦音を押さえるときには
ディエッサーが活躍します。
人によっては日本語だとあまりうるさく聞こえないかもしれませんが、
英語のフレーズで歌い上げる場合には歯擦音の処理は必須です。
UAD Manley VOXBOX Channel Strip
プリアンプを通すことで他の楽器とまぜたときの最終的な仕上がり方がガラッと雰囲気を変えます。
柔らかい声質にマッチするボーカル向けのプリアンプで利用されているのが「UAD Manley VOXBOX Channel Strip」
音作りに必要な細かいパラメータ設定をすることなく処理が可能です。
UADのプラグインはプロが組み込んだプリセットがあるので、プリセットを元にして追い込んでいくのが良いでしょう。
もっとボーカルにパンチが欲しい場合には「Arturia Pre 1973」のようなNeve系のプリアンププラグインを使うと良いです。
Universal Audio Fairchild Tube Limiter Collection
アナログ真空管コンプレッサーの代表的機種をプラグイン化したモデルがUniversal Audio の「Fairchild Tube Limiter Collection」です。
ビートルズやピンクフロイドといったロックの伝説的バンドの時代から使われているコンプレッサー。
コンプレッサー設定をしないでもプラグインを通すだけでもトラック全体のアナログの温かみを演出できるプラグイン。
sonnox voca
難しいコンプレッサー設定をしないでボーカルトラックを綺麗に処理したい!というわがままな願いが叶えられるボーカルプロセッサープラグインです。
サチュレーションとコンプレッサーが一体化していてXYPAD上で心地よく聞こえるポイントを探していくだけ。
またディエッサーやオートゲインがついていてボーカル処理のプラグイン機能に特化している点も見逃せません。
iZotope Nectar 4 Advanced
こちらもボーカルプロセッサープラグイン。
iZotope製品のAI処理機能がついていて、AI機能をONにしてトラックを再生するだけでボーカル処理に必要なエフェクトの組み合わせを瞬時に作ってくれます。
エフェクトが充実しているので、コンプやディエッサーなど処理するプラグインを一つももっていないなら特に重宝します。
十徳ナイフのような便利さのあるプラグインです。
Antares Auto-Tune EFX+ 10
ボーカル用のマルチエフェクトプラグイン
Auto-Tune独自のケロケロボイスだけでなく、歪ませたり、極端に別ものの音にしてみたりと最近良く使われているボーカル用エフェクターが大抵入っているとても便利なマルチエフェクトプラグイン。
プリセットをポチポチ選んでいくだけでそれっぽいのが作れる単純さが非常に便利です!
Soundtoys Little AlterBoy
昔から人気のある定番のピッチシフト+ボーカルプロセッサープラグイン。
ケロケロボイス、ロボットボイス、フォルマントシフトが使えます。
つまみが少なくて操作が単純なのも人気の一つ。
Vtuber界隈で使われるボイチェン用途としても知名度があります。
United Plugins TrapTune
コスパ良いプラグインを数多く出しているUnited Pluginsのボーカルプロセッサープラグイン。
名前の通りHipHopのTrap用途ですが、ヒップホップ、トラップ、RnB、現代ポップ、EDMでも使える便利な機能を備えてあります。
フォルマント、音声移調、チューニングのキーにも対応したボーカルトラックにエフェクト音が加わるSimply Tune-inが特徴。
セカンドボイスセクションを使えばハーモニー生成もできます。
Minimal Audio Cluster Delay
どういった設定を仕掛けているのかわかりにくいのがディレイプラグインの悩みどころ。
Cluster Delayでは帰ってくるディレイの回数をディスプレイ上で把握できる仕組みになっています。
新しめなディレイプラグインにはこの回数表示が付き始めていて、デジタルディレイならではのメリット。
Cluster Delayは見た目がわかりやすいだけでなく、原音が鳴っているときはディレイの音量が下がるダッカーとモジュレーション系のエフェクトが充実していてディレイの音を作り込めるようになっています。クリアな音質が好きな人はずっと使えるディレイです。
Baby Audio Crystalline
次世代のアルゴリズムリバーブ!
リバーブのアタックと減衰時間をDAWのプロジェクトテンポに自動で合わせられる機能がありリバーブタイムの設定が何かうまくハマってくれないという人にピッタリ。
シマー、ダッカーやモジュレーションといった機能も付いていてリバーブの処理を追い込んでいけます。
プリセットが選びにくい点のみ欠点です。
リバーブの音がどんな感じになっているのかイメージしやすいUIも良い味が出ています。